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>>最終更新日:2003/05/02

2001年10月22日〜24日(2泊3日)
一日目Marahau → Castle Rock Hut(泊)、Castle Rock
二日目Castle Rock Hut → Porters Rock → Moa Park → Awapoto Hut(泊)
三日目Awapoto Hut → Gibbs Hill → Wainui Inlet → Out

Introduction
本当はこの旅は21日に始まっていた。
21日、朝起きて受け付けの前で Linley に挨拶をしてトイレで用を足していると Wayne が駆け込んできた。

Wayne:「バスが来たぞ。」

自分:「はぁ〜??」

起きたばっかりである。
それでも一瞬で自分が時間を聞き間違えただろうことが理解できた。イギリス系英語でよく使う時間の表現(7時50分を「ten to eight」)を聞き間違え何故か10時10分前だと勘違いしていたのだ。。。「ten」の部分しか合ってない(笑)のに、何の疑いもなく10時10分だと思っていた自分が恐い・・・。

Wayne:「何分で用意できる?」

自分:「ん〜、15分」

ってあまりの申し訳なさから出た言葉だったが、実際には朝色々やろうと思っていたから、パッキングどころか 自分のベッド周りもちらかったままだった自分にはかなり短い時間だった。そこには状況を妙に冷静に判断している自分とパニックで何から手をつけていいのかわからない自分がいた。しかし何としても15分で用意せねば。その間 Wayne がバッパーのオーナーという立場を利用して、なんとかバスが再度15分後にピックアップに来てくれるよう手配してくれていた。

食料はほぼ用意してあったのでとりあえずそれをビニール袋に突っ込み手で持っていくことにした。そしてベッド周りの荷物を Satoshi のベッドの下に置いてもらった。(スマン)

急いでフロントへ行くと Linlye も Wayne もいない。迷ってる時間はなかったから自分はバスがビジターセンターへ行っているものと判断し、走って向かった。そこにいた違うバスのドライバーに事情を説明するが若干まだ混乱気味の自分は自分でも何を言っているのか訳わからないことを口走っていた気がする。バスドライバーも理解できずに困っていた。

出発時刻はもう結構過ぎていたし、もう行ってしまったと判断。次の2時間後のバスで向かって気合で追いつくしかない。うなだれながらバッパーに向かって歩いていると向こうから Bakers のバンに乗った Wayne がやってきた。どうやらバッパー前で待っていればよかったらしい。。。バンに乗せてもらい Bakers へ戻り、無事にシャトルバスへ乗せてもらうことができた。Wayne には朝から本当に迷惑をかけてしまった。

しかしまだ続きがある。
Marahau のスタートポイントにつくと途端に雲行きが怪しくなってきた。Wayne とスタートするべきか否か悩むが、とりあえずスタートすることにする。そして シェルターを出てすぐのところにあるボードウォークを越えたあたりで早くも雨が降り出した。そして雨は徐々に強くなっていった。かろうじて上に木があるところを見つけ雨宿りするが雨は強くなる一方だった。しかも木があるとはいえかなりの雨が体に降り注いできていた。すると事もあろうか信頼していたパタゴニアのジャケット が雨漏りしはじめる。

「なに〜!」

明らかに肩口から雨が進入してきている。これは正直ショックだった。そっかこいつは降り続く雨には対応していなかったんだ。それでもこんなに雨が進入してくるなんて何か裏切られた気分だった。するとやはり体温が下がってきて寒くなってきた。これはまずい。低体温症にもなりかねない。Wayne も結構濡れていたみたいだしまだスタートして間もなかったから、とりあえずスタートポイントのシェルターまで戻ることを決意。そこでしばらく待ってみるが雨が止む気配もないし、なんだか二人ともへこんだ感じだったから明日もう一度出直そうという事になった。日本で使ってたゴアテックスの上下をニュージーに持って来なかった事悔いた。。

長い前振りだったが、翌日改めて Inland Track へ向かった。

DAY 1
昨日とは打って変わって朝から雲一つない空が広がっていた。Marahau をスタートして 20分くらいで Inland Track への分岐にさしかかる。事ある毎に Wayne から「Inland は Coastal の比じゃないくらい登りがきつい」と聞かされていたから、いきなりグイグイと登りが始まるもんだと心していた。

しかしながら約一時間は全く急なところはなかった。その間 Wayne が色々 NZ の自然について教えてくれ、とても為になる。しかしそんな中で自分が気になったのが、「松」はエイベルの原生植物ではないらしく Wayne が小さい幼木を見つけるなり引っこ抜いて駆除していたこと。自分もそれに習って同じように引っこ抜いたけれど、松より弱い原生種保護の為とは言え、茅ヶ崎のシンボル的植物である「松」を駆除するってのはちょっと寂しさもあった。

一時間を過ぎたあたりから徐々に勾配がきつくなってきた。しかし「きつい」と聞いていたので丹沢の「大倉尾根」 くらいを想像していたこともあって、思っていたよりはきつい登りではなかった。

Holyoke Clearing Shelterこいつはかなり程度が悪い。Holyoke Clearing
この程度ではあまり汗をかかない自分とは対照的に、大きなザックを抱えていた Wayne はゼーゼーいいながら滴るような汗をかき、頻繁に給水をしていた。ずっと登りは続くが海側の景色がきれいだからこまめに休憩を取ればそれほどきつくはないだろう。

正午に Holyoke Clearing に到着。途中自分等を抜いていったオランダ人の Mark が昼食をとっていた。なのでうちらも 30分ばかり休憩。

それにしてもシェルターは汚かった。本当に非常用だ。正直こんなところには泊まりたくないもんだ。

Beautiful Forest美しい自然の森
そしてここから Castle Rock Hut までの道のりは長かった。3時間くらいかかっただろうか。しかし森は非常によかった。たくさんの苔やその苔をまとった木々。更に根っこがゴツゴツと張り出してる必要以上に手入れのされていないトラック。そして何よりそのマイナー性からか人がいなくて静かだ。

昨日の大雨で水浸しになっているところも多々あったがそれがまた神秘的な雰囲気を演出していてよかった。ただ Coastal とは違って完全なる「Tramping Track」なのでそれなりに歩くのは大変だし、ちゃんとした靴は必要だ。(実は前回はスニーカーで歩いた。(笑))

「森」という点だけで見たら Great Walks である Coastal Track よりもはるかに楽しめるコースだと思う。 そして4時頃ようやく Hut に到着。小さいけどいい感じの Hut だ。

自分は二人より早く到着してしまったから Hut に着くなり荷物を置いて下見がてら近くの Castle Rock Lookout Point へ向かった。すごい近いと思って行ったが意外に坂が急で遠かった。(小川の飛び越えとかもある)しかしながら View Point からの景色は絶景だった。晴れていたせいもあるだろうがあれは一見の価値はあると思う。

Castle Rock Hutこじんまりとしていてキレイ。Castle Rock Hut
Hut に戻ると二人も到着していて自分と入れ替わりで View Point を見に行った。自分は下見のつもりで行ってきたがちょっと疲れたので Hut で待つことにした。

Hut Book をチェックしてみて驚いた。今年に入って日本人は 3人しかこの Hut に泊まっていない。この下の海沿いにある Coastal Track は大盛況だというのに。。

それにしても今日は Mark が一緒で本当によかった。彼は本当に英会話が上手で結構 Wayne と話をしてくれるから「話さなきゃ」みたいな妙なプレッシャーから開放されたから。(笑)

Castle Rock View Point View Pointからはこんな感じ
実はこの旅では Wayne の提案により 2日間の夕食のうち一食を Wayne が KIWI式のスペシャルディナーを彼が用意し、もう1食を自分が日本食でもてなすことになっていた。

で今日は Wayne の番。うすうす感付いてはいたが、予想通り「スペシャル」とは「ステーキ」だった。(笑)でっかいステーキ肉が 2枚 Wayne のザックから出てきたときには思わず笑ってしまった。それにインスタントのリゾットと水筒に入れてきた赤ワイン。

あれだけ色々入れてきたんだから彼のザックが重かったのもうなずける。

寝る前にトイレに行こうと思って外へ出るとかなりでかい黒のポッサムがいた。それを Hut の中にいた Wayne に告げると「木でぶっ叩く」と言って出てきた。冗談だと思ったらかなり本気。(笑) 歩くときに使っていた木の棒を振りかざしてポッサムへ向かっていった。結局逃げられてしまったのだが、本気だったのには正直驚いた。

これには前述の「松」同様、この国立公園いやニュージー全土に渡って問題になっているこの原生種ではない害獣を少しでも駆除したいという気持ちがあったのだろう。確かにこのポッサムという小動物が媒介する「ジアーディア」という寄生虫のお陰で、ニュージーの山ではいくら水がきれいにみえてもそのまま飲むことは難しくなっているのだ。なかでもここ「Abel Tasman National Park」はその被害が深刻らしいからそのお膝元で宿を経営する者としては本気になるのも無理もないことなのだろう。

それにしても昼間の暖かさが嘘のように夜は冷える。

DAY 2

今日も朝から抜けるような青空だった。本当に一日延期してよかったと思う。しかし今日は昨日よりも長い行程が控えている。

Hut を出て 20分くらいなだらかな坂を登った後から急な登りが始まった。それ程長くは続かなかったと思うが、ここまでの行程で一番きつい登りだったと思う。途中「Porters Rock」という view point があったので、メイントラックに荷物を置いて景色を見に行った。(10分ほど)海側の景色を見るには前日の「Castle Rock」よりもいい感じだったが、自分的には「Castle Rock」の方が高さがあってよかった気がする。

Moa Park Hut中はかなり狭い。Moa Park Hut
しばらくして Moa Park Hut に到着。ベッド数が 4 と小さい。概観も初日の「Holyoke Clearing Shelter」に似ているし、中も薄暗くあまり綺麗ではなかった。

マークはこの Hut を見てかなりがっかりしていた。それもそのはず、彼はここからアクセスできる「Mt Evans」に登るつもりらしく、今日はこの Hut に泊まるというのだから。なので残念ながらここでお別れ。(ちなみにこの時は知らなかったが「Mt Evans」へのトラックは既にメンテが打ち切られている。)

再び二人となって Awapoto Hut を目指す。

下りが多くなった。途中 Wayne が濡れたログ(←非常に危ない)の上で滑り倒れるハプニングがあった。しかしまだこういう場面で英語で気の効いた言葉がすらっと出てこない。

ちなみに今日の行程はずっと森の中。なので昼飯休憩する場所を探すのも一苦労だったが、2時ごろ陽が射して込んでいるところがあったのでそこでランチタイム。森の中は非常に静かだった。

しばらくすると遠くで何やら物音がする。そういえばここまで来る間にトラック脇にブタが掘ったとみられる穴がいくつもあった。ってことはブタか? Wayne 曰く、ニュージーのイノブタは牙が鋭くかなり危険なのだそうだ。すかさず Wayne が例のウォーキングステッキを握り締める。臨戦態勢となったところで向こうから現れたのは・・・・何とマークだった。(笑) 聞けばやっぱり「一人であの小さな Hut に泊まるのはむなしい。」とのことで、追っかけてきたらしい。何か嬉しかった。やっぱり二人よりも三人の方が楽しいから。

Awapoto Hut外も中も驚くほどきれいな Awapoto Hut
それにしても Awapoto Hut は遠かった。

三人とも少し疲れが出始めたと思われた頃にグレーのヤギが突然トラック上に跳び出してきて、一気に走り去って行った。更に休憩中にビールの銘柄にもなっている有名な鳥「Tui」のつがいを見ることもできた。

ちょっと長くて退屈なこともあったけどやはりこの森は豊かできれいだった。ようやく Awapoto Hut に到着しとてもきれいな Hut に驚いた。(後に色々歩き回って数多くの Hut を見ることになるが、カテゴリー3ではこの Awapoto Hut がベスト)


そして今日は自分が夕飯を作る番。Wayne に「日本食」と言われ悩んだ挙げ句に決めたのが「親子丼」。卵も新聞でしっかりくるんでコッヘルの中に入れて持ってきた。(笑) さすがに2日経った鳥肉はちょいと臭いがキテたがお構いなし。それなりにいい味に仕上がったと思う。それから Satoshi のレシピで作ってタッパに入れて持ってきていたモヤシと挽肉の炒め物。

そして更に秘密兵器。アサリの佃煮。(笑) 日頃バッパーにいる時に Satoshi とよくアサリを採ってきて食っていたから、よく「今日の夕飯はまたアサリか?」なんて言われていた。今回も出発前に「まさか日本食ってアサリじゃないよな。」などと冗談を言っていたので驚かせてやろうと思って作ってきたのだ。しかもこれはれっきとした日本の伝統的な料理だ。ジップロックに入ったちょっと黒味をおびたアサリを見せるとマークも興味津々で食いついてきた。(といってもマークはアサリだというと食べなかったけど・・)

Wayne:「ん??こりゃプルーンか?」

自分:(爆)←してやったり!

確かに見えないこともない。アサリだと明かすと二人とも絶句。それでも Wayne は恐る恐る口にする。そりゃー勇気いるだろうな。逆の立場だったらこんな見た目の悪いもの食いたくないよ。(笑)

すると「お?結構いけるよ。」だって。親子丼の意味も教えてあげると「なるほど」って感じで喜んでくれたし懸案だった「日本食」を楽しんでもらえてよかった。

そんな暖かな夕食時を過ごし、明日は Wainui Inlet で 13:45 の一日に一本しかないバスに乗らなければいけないので、結構早起きしなければならないこともあって早めに床に就いた。Hut Book に「日の出が最高」といくつか書き込みがあったので朝の好天を期待しよう。

DAY 3
Wayne の天気予報は見事に的中した。朝日の出を見ようと 6時には起き出すが外は曇っていて、しかもしばらくすると雨が降り出した。昨日はあんなにいい天気だったのに・・・。自分は絶対に晴れると思っていたけど、昨日夕方の風の雰囲気などでこの天気を感じ取っていた Wayne はさすがた。

正直不安だった。3日前の悪夢が頭の中に蘇る。今日は 5時間近く歩かなければならない。雨がレインウェアーから漏れてきやしないか。。。

それにしても前日の Castle Rock Hut よりも標高は低く、600mくらいしかないはずなのにやけに寒い。太陽が出ているのとそうでないのではこんなにも違うものなんだという事を痛感する。予定より 1時間遅れの 8時過ぎにようやく出発した。

Wayne & Mark牧場内を歩く Wayne と Mark
自分が先頭を行くことになった。出発の遅れもあってさりげなく時間に不安があったので、それを取り戻すつもりで速めに歩くことにした。

マーカーはしっかりとついているのだが雨のせいもあって視界が悪いし、植物が垂れ下がったりしていて確認しにくかったりで時には慎重に進まざるをえなかった。それでもとりあえずは Pigeon Saddle までは少し余裕を持って到着。

ここからしばらくは 4WD道路を歩く。マーカーは色の付いた棒だったり、地面にペンキが塗ってあったりと様々だ。

しばらくするとサインポストが現れ再び森の中へと入っていく。ここから「LOOKOUT ROCK」なるビューポイントへの分岐までは、太古の森を連想させるいい感じの森だった。太い木や朽ち果てた木々から生える苔。自分好みの森だ。

我々は分岐に荷物を置いてビューポイントをチェックに行った。10分弱だがそれなりに急な坂だ。しかし眺めがしょぼい。これはあまり行く価値がないと思われる。

Wainui Inlet「Gibbs Hill」から見た Wainui Inlet
再スタートすると今度は一転して牛を間近に見ながら牧場内を歩く事になる。2つの牧場を抜けると草原地帯が続き、しばらくすると Wainui Inlet側の景色がよくなってくる。Totaranui への分岐を過ぎたあたりから Awaroa、Totaranui Bay 側の景色もかなりいい感じで見ることができた。

そして Gibbs Hill に登る分岐へと来るので再び荷物を置いて景色を見に行った。前回の LOOKOUT ROCK なんかよりはるかにいい景色だった。

そしてこの Gibbs Hill から Wainui Inlet へは前回の Coastal の旅で通った道と同じ、4WD道を歩く。

正直ちょっと退屈だった。しかも二人の会話は聞くだけでなかなか自分から話すことができなかったし・・。バス停までたどり着いたときにはすっかり空は晴れ渡っていた。

とにもかくにも今回は色々勉強させられる、そして次回への課題がたくさん見えたウォーキングだった。

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